小中村清矩日記

出版时间:2010-7-15  出版社:汲古書院  作者:大沼 宜規 編著  

内容概要

【解説】より 本書は、小中村清矩(1821―1895)の日記を翻刻して刊行するものである。小中村清矩は、江戸時代後期から明治時代にかけて
江戸・東京で活動した国学者で、律令や日本史、古典文学、古典籍、有職
故実など多岐に渉る分野について、文献に基づいて研究を進めた。神官や教部省、内務省などに勤務したほか、皇室典範の制定に関わるなど形成期の明治政府に出仕し、明治二十三年には貴族院議員に勅選されている。
また、帝国大学、皇典講究所、國學院などで教壇に立っている。
小中村清矩の学問は、文献を重視する考証学的なものであった。そして
その学問は、江戸時代から重層的に形成された、いわばネットワークともいうべき交友関係に支えられていた。日記からは、そうした人脈が、蔵書や知見の貸借や交換だけではなく、古典講習科の設置や、「古事類苑」の編纂事業においても、遺憾なく発揮されていたことがわかる。さらに、明治国家形成期に政府の制度設計の陰で、歴史的沿革や起原の調査にあたるブレーンとして活動していたことも、日記から具体的に分かる。明治国家形成の基盤の一つを提供したであろう国学者の学問生活自体を目の当たりにすることができるのである。そして、明治二十年代までは、そのような国学が政府から求められ、国学者もそれに応えた学問の構築を構想していたのであった。一方で、そうした学問の構想や実体を有しつつも、考証派の国学者たちの学問は、法制史、国文学、書誌学、歴史学などの近代的な学問的枠組に分化しつつ、継承あるいは受容されていった可能性も見逃すことはできないだろう。そのように考えると、小中村清矩、そして「国学考証派」の学問は、江戸時代と明治時代を繋ぐという点からも再評価が必要であろう。小中村らの学問は、江戸時代の学問から明治近代アカデミズムへの継続性をうかがうことができるのではないだろうか。本日記は、近代の学問史の研究においても基礎的な情報を探り出すことができるものと思われるのである。以上のように、日本の歴史的事象を対象とする国学的な関心に下支えされ、考証的な方法に基づいて事物について究明していく考証派の国学者たちの学問は、その共有を前提とした人間関係のなかで、蔵書貸借や知識の交換を経て、深化していったものと思われる。本書で翻刻した小中村清矩の日記は、このような国学者の学問生活を如実に示す史料として貴重なものといえるのである。

书籍目录

江戸時代日記
商家の主人として活動していた時期から、家業を息子に譲り、学問に専心していく時期。
明治四年・五年業務日誌
明治四・五年の「奉務私記」は神祇省における業務日誌。
明治十五年・十六年日記
東京大学や皇典講究所での講義の記事、文部省における「古事類苑」編纂の記事、内務省社寺局や参事院、
「大政紀要」編纂のために宮内省に出仕する記事などを含む。
明治十七年~十九年旅日記
明治二十年~二十八年日記・旅日記
帝国大学や皇典講究所、国学院などでの講義の記事、「古事類苑」の原稿を校閲する記事など。
解 説・人名索引

图书封面

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