映画音響論―溝口健二映画を聴く

出版时间:2014-1  作者:長門洋平  

内容概要

溝口健二。彼はトーキー黎明期の先駆的試み、新派や同時代の前衛芸術との関わりなど、ジャンル、スタイル、テクノロジーの広い範囲で創造性を発揮した。その作品を分析することは、トーキー初期から1950年代黄金期に至る日本映画の音響創作の達成を考えることである。本書は、溝口映画における音響の効用を、映像および物語との関連から考察する。また、作曲家本人による楽譜・手稿により、音響創造が製作過程から分析される。さらには、映画の音響に関する質の高い文献を紹介しつつ、議論の整理・検討がなされている。映画を聴覚面から分析する理論枠組みを提示し、視聴覚文化、メディア研究ほか多方面の専門家が活用できる方法論として提供する。付録:大谷巖(録音技師、1950年代大映京都で製作された全ての溝口映画を担当)ロング・インタヴューは、資料としてたいへん貴重なものである。『東京行進曲』『ふるさと』『浪華悲歌』『残菊物語』『近松物語』『赤線地帯』といった作品を緻密に分析し、最新の地平を示す先駆的研究。映画家、音楽学のみならず、テクノロジー、ジェンダー、ポストコロニアル理論の視座をも含めた映画音響論が展開される
小津、黒澤と並び「日本映画の三大巨匠」の一人に数えられる溝口健二。彼はトーキー黎明期の先駆的試み、新派や同時代の前衛芸術との関わりなど、ジャンル、スタイル、テクノロジーの広い範囲で創造性を発揮した。その作品を分析することは、トーキー初期から1950年代黄金期に至る日本映画の音響創作の達成を考えることである。
本書は、溝口映画における音響の効用を、映像および物語との関連から考察する。また、作曲家本人による楽譜・手稿により、音響創造が製作過程から分析される。さらには、映画の音響に関する質の高い文献を紹介しつつ、議論の整理・検討がなされている。
映画を聴覚面から分析する理論枠組みを提示し、視聴覚文化、メディア研究ほか多方面の専門家が活用できる方法論として提供する。作品を緻密に分析し、最新の地平を示す先駆的研究。映画学、音楽学のみならず、テクノロジー、ジェンダー、ポストコロニアル理論の視座をも含めた映画音響論が展開される。

作者简介

長門洋平[ナガトヨウヘイ]
1981年生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科国際日本研究専攻、博士後期課程修了。博士(学術)。現在、国際日本文化研究センター機関研究員、京都外国語大学ほか非常勤講師。音楽および映画を中心とする現代芸術・視聴覚文化を研究対象とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

书籍目录

第1章 音の場所―映画の音響を分類するための基礎的考察
第2章 『東京行進曲』(一九二九)―挫折したトーキーの試み
第3章 『ふるさと』(一九三〇)の音―トーキー時代の黎明
第4章 『浪華悲歌』(一九三六)の音―伴奏音楽の不在とリアリズム
第5章 『残菊物語』(一九三九)の音―声、沈黙、怪談
第6章 『近松物語』(一九五四)の音―「不完全」な音楽の美学
第7章 『赤線地帯』(一九五六)の音―日本映画の戦後と現代音楽

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