猟奇博物館へようこそ

出版时间:2011-12  出版社:白水社  作者:加賀野井秀一  

内容概要

解剖学ヴィーナス、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本……あやしくも美しい、いかがわしくも魅惑的な、あっと驚く異形のコレクション案内。
「猟奇博物館へようこそ! ここには、あなたをミラビリア(驚異)とクリオシタス(好奇)の世界に誘い込む異形のものどもが、手ぐすねひいて待ち構えております。目をそむけようとしても、あなたの好奇心がそれを許さない。ひとたび足を踏み入れれば、もはや後に引き返すことはできません。当館を出るころには、あなたはあなた自身でいられるかどうか。世界を見る目が変わってしまうこと請け合いです。いいですかな、よろしいかな、覚悟してお入りあれ。」(「序」より)
ミラビリア(驚異)とクリオシタス(好奇)の世界
先ずはカバー画を注意深くご覧頂きたい。一見アヴァンギャルドな衣装を身にまとった美人画かと思いきや、実はこれ、十八世紀のフランス人版画家G・ダゴティによる彩色解剖図の傑作である。シュルレアリストたちによって「解剖学の天使」とも呼ばれていたこの作品を、プレヴェールは次のように詩に書いた。「両肩をあらわにした女性、いやむしろ、両側に折り返された皮膚によって両肩を剝き出しにされた女性……内臓的な恐怖と華麗」
本書が扱うのはまさに、西洋近代知の暗部やキリスト教的秩序の裏側に潜む、「恐怖」と「華麗」が織り成すあやしくも美しい、いかがわしくも魅惑的な異貌のオブジェのコレクション。解剖図、解剖蝋模型、デカルトの頭蓋骨、腐敗屍体像にカタコンベ、奇形標本などなど、おぞましさゆえに西洋近代が直視することのできなかった事柄がまるごと背後に隠された、あっと驚く「猟奇」の数々だ。それらが、大航海時代にヨーロッパの王侯貴族や学者の間で流行した、あの、世界の〈ワンダー〉を収集・陳列した「驚異の部屋」(ヴンダーカマー)さながらに、手ぐすねひいて読者を待ち構えている。メルロ=ポンティやソシュールの専門家が、なぜこの「猟奇」に魅了されるにいたったか。ぜひその目で確かめ、猟奇の旅の同士となっていただきたい。図版多数。

作者简介

加賀野井 秀一(かがのい しゅういち)
1950年、高知市生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。同大学大学院博士前期課程修了後、パリ第8大学大学院に学ぶ。現在、中央大学理工学部教授。専門は、哲学、言語学、フランス文学、日本語論、メディア論。主要著書に、『メルロ=ポンティ 触発する思想』(白水社)、『メルロ=ポンティと言語』(世界書院)、『知の教科書 ソシュール』(講談社メチエ)、『20世紀言語学入門』『日本語の復権』(共に講談社現代新書)、『日本語は進化する』(NHKブックス)、『日本語を叱る!』(ちくま新書)ほか。主要訳書に、メルロ=ポンティ『知覚の本性』『フッサール「幾何学の起源」講義』(共に法政大学出版局)、ドゥルーズ『哲学の教科書 ドゥルーズ初期』(河出文庫)、ミシュレ『海』(藤原書店)、ルピション『極限への航海』(岩波書店)などがある。

书籍目录


ファインアーツと奇形の胎児
フランス国立自然史博物館
見世物小屋とフリーク・ショー
「つやま自然のふしぎ館」から「ピクルド・パンク」へ
視覚の迷宮から人魚まで
展覧会「むかしむかし、見世物小屋があったとさ」
「パノラマ」と猟奇的視覚
ぬくぬくとした場所でカタストロフィーを眺める
解剖学ヴィーナス
スピッツネル博士の大解剖学博物館
眠れるヴィーナス
ベルギー画家ポール・デルヴォーのトラウマ
フィレンツェの街から消える美少女たち
スペコラ博物館とクレメンテ・スジーニ
スジーニの後継者たち
カレンツォーリ、カラマイ、そのジェンダー的視点
崩壊する人体のパノラマ
ガエターノ・ズンボと『死の劇場』
ズンボの礼賛者たち
サド侯爵、ゴンクール兄弟、メルヴィル、ホーソン
「ヴァニタス」から「腐敗屍体像」まで
メメント・モリ(死を想え)の伝統
日本の「腐敗屍体像」
小野小町の九相図
腐らない聖人の遺体
カトリーヌ・ラブレと聖ヴァンサン・ド・ポール
ルルドより遠く離れて
聖ベルナデッタの美わしき遺体
聖遺物崇敬の楽屋裏
トマス・アクィナス、アンセルムス、リンカーン司教ヒュー
デカルトのちっぽけな頭蓋骨
哲学者の聖遺物
パスカルのデスマスクとベンサムの首
繊細の精神とパノプティコン
シチリア島の休日
骸骨寺とカプチン会のカタコンべ
止まれ! ここは死の帝国だ。
パリのカタコンブと聖イノサン墓地
髑髏のシャンデリア
セドレツの納骨堂
解剖学の父 アンドレアス・ヴェサリウス
ヴェサリウスとペトリュス・ボレルのブラック・ユーモア
解剖図、その内臓的な恐怖と華麗
ヴェサリウス、アルビヌス、ゴーティエ・ダゴティ
二つの不思議な人体標本
ライモンド・ディ・サングロの「悪魔との契約」
人骨と臓器のアレンジメント
フレデリク・ライスの解剖学博物館
フラゴナールの従弟
『黙示録の騎士』からロジェ・グルニエのキマイラ的想像力へ
フランス革命裏話(一)
フラゴナール、ダヴィッド、そしてタッソー夫人
フランス革命裏話(二)
グレヴァン蠟人形館とシャルロット・コルデーの首
聖人の涙が隠すグロテスクな内面の恐怖
エコール・ド・サンテとパンソンの蠟模型
知られざるパンソンの伝記
フリーメーソンとパレ=ロワイヤルの「驚異の陳列室」
エフィシオ・マリーニと奇怪な人体テーブル
パリ医学史博物館
奇形と病理の魔界
デュピュイトラン博物館
悪魔と天使のはざまに生きた男
ギョーム・デュピュイトラン
パリ大学第三の「魔界」
デルマス=オルフィラ=ルヴィエール博物館
イタリアの巨匠を越える男と二つの首
ジャン=バチスト・ローモニエ
解剖学教室の見える家
ルーアン市立病院とプローベールの父
「恐るべき子供」から大作家へ
ギュスターヴ・フロベール
サミング・アップ─―死と誕生とのはざまで
出産模型と「世界の起源」
あとがき
参考文献

图书封面

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