世界の果て

出版时间:2009/05  出版社:文藝春秋  

内容概要

内容(「BOOK」データベースより)
ほの暗さの快楽。若き「実存主義作家」の最新短篇小説集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中村 文則
1977年、愛知県生まれ。福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。2002年、『銃』で新潮新人賞を受賞してデビュー。2004年、『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。2005年、『土の中の子供』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

书籍目录

単行本としては僕の7冊目で、初めての短編集、になります。
デビュー7年目で初めての短編集というのは、いかに僕が書くのが遅いかを意味しているように思います。次の短編集は果たして何年後か、自分のことながらわからないです。収録作を、以下紹介していきます。
『月の下の子供』 僕の長編の流れを汲むもので、『何もかも憂鬱な夜に』とのイメージの類似があります。
『ゴミ屋敷』 僕の小説の中で唯一、「笑い」を取り入れた小説です。ジャンピング・オナニーとか出てきます。これからは、たまにはこういう短編を書いていくのも面白いかなと思っています。可能と不可能、超越と限界にまつわる小説です。
『戦争日和』 雑誌掲載時は『白の世界』というタイトルだったのですが、単行本化にあたりタイトルを変えました。ちなみに村上春樹さんの『カンガルー日和』との類似はないです。時代が戦争に向かう時、人々の精神は単純化していきます。複雑な純文学は、それに対立するものです。戦争は大を考えるあまり、犠牲になる小を蔑ろにします。『憎悪は生き物だ、拡大を望む』という言葉が作中にありますが、単純化していく世界の中で執拗に小のことを考え続ける小説です。
『夜のざわめき』 初めて、小説家、を主人公にした小説です。この頃、僕はなかなか精神的にきつくて、それが色々な形で出てしまいました。様々な声(ざわめき)の中を、主人公が歩いていきます。
『世界の果て』 1犬を持ち歩く男、2画家、3包丁を握る高校生(本人の自覚は中学生)、4失踪者、の、それぞれの「世界の果て」と人生の問題を巡る小説です。それぞれタイトルをつけるなら、1は「犬を捨てる」、2は「無用の人」、3は「中学生の犯罪」もしくは「高みの世界」、4は「失踪」、5は「蒸発」もしくは「犬を握る」、かなと思います。一つの大きな物語として読むこともできます。読んでくれる人達の考える幅(自由)が大きい小説で、様々に解釈が可能です。
我ながらいい短編集だと思っています。こういう小説が集まる短編集は、今の時代には珍しいかもしれません。

图书封面

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