出版时间:1964-6-30 出版社:新潮社 作者:「日」有吉佐和子
内容概要
紀ノ川の上流、九度山村で一番の美貌を謳われた花は、育ててくれた祖母が決めた男:真谷敬策の元へ豪華な道具とともに嫁いで行く。義弟の浩策とのいざこざはあったものの、舅姑に孝養を尽くし、夫を支え、家を守り、子を育てる。夫は祖母の見込み通り、花の期待通り出世し、多少の浮気などの問題はあるが、和歌山県政界の第一人者になって行く。
長男の政一郎は、父の期待も空しく、おとなしく育ち、長女の文緒は、古風な躾を施そうとする花にことごとく反抗して育つが、妹弟の面倒見はよい。二人は東京の学校へ進学し、文緒は周囲の気配りで良縁を得て、親掛かりの幸せな結婚生活をスタートさせる。間もなく一子を得る。文緒は夫の転勤に伴い、上海へ渡り、次男を産むが、幼くして死なせてしまう。時を同じくして、嫁いで間もない花の末娘:歌絵が肺炎で急死する。さすがの花もショックで倒れてしまう。
再び妊娠した文緒は、夫のニューヨークへの転勤には同行せず、実家に戻ってくる。子供を失って気弱になっている文緒は、以前は断固否定していた神仏や占いにも頼る気になり、生まれた子供の名前は姓名判断で、華子と決まった。
文緒の4度目の出産に伴い、6年ぶりに和歌山に戻った華子は、すっかり季節感のわからない子に育ってしまっていた。しかし母親に似ず、古いものに対して反抗的ではないので、花をほっとさせる。
そんな折、仕事で上京していた敬策が急逝する。葬儀を終え、和歌山市内の邸をたたみ、古くからの在所へ戻った花は、これまで夫に注ぎ込んでいた情熱のやり場を失い、楽しみは孫の華子からの手紙のみになってしまう。
戦争が本格的になり、運良く帰国することになった文緒一家であったが、予想以上に長引く戦争に危険を感じ、子供たちを和歌山へ疎開させることにする。和歌山での生活は、祖母の叱咤激励もあって、華子の体を健康にしてゆく。終戦後、しばらくして東京へ引き上げていった華子たちは、着る物を食べ物に変えるという窮乏生活を余儀なくされ、彼女の父はそんな中で急逝する。
一方、花は浩策から借りる本を読む毎日を過ごしていたが、華子が就職してしばらくたった頃、脳溢血で倒れてしまう。見舞いに訪れた華子に、錯乱した花はあたかも文緒が枕もとに居るかのごとく、半生を述懐する。いつでもその時のその立場で一生懸命やって来て、跡取の長男に期待できないことがわかってきたら心細くなったし、文緒にそばにいてほしかったが、農地解放があって、どうにも昔通りの豪勢な家には戻せないのだとはっきりしたら、気がかりがなくなって心が晴れ晴れとしたと言う。
そうこうするうち、来る予定ではなかった文緒がやって来たので、華子は東京へ戻ることにする。
帰りがけに寄った和歌山城から紀ノ川を、そしてその先の海を、華子はいつまでも眺めていた。
作者简介
有吉佐和子(1931-1984),和歌山生れ。東京女子大短大卒。1956(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。代表作に、紀州を舞台にした年代記『紀ノ川』『有田川』『日高川』の三部作、一外科医のために献身する嫁姑の葛藤を描く『華岡青洲の妻』(女流文学賞)、老年問題の先鞭をつけた『恍惚の人』、公害問題を取り上げて世評を博した『複合汚染』など。理知的な視点と旺盛な好奇心で多彩な小説世界を開花させた。
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