半透明の美学

出版时间:2010  出版社:岩波書店  作者:岡田温司  
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内容概要

なぜ「半透明」に注目するのか。
そこからいかなる新しい世界が開示されるのか。
しかし、そのどっちつかずの両義性にこそ、従来の芸術観を乗りこえる感性と思考の潜勢力が宿っているのだとしたら?アリストテレスをはじめ、聖書、ダンテ、メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、ジャンケレヴィッチらの言葉と、リヒター、ドラクロワ、クレー、ベーコン、ジャコメッティ、モランディ、デュシャンなどの“灰色と埃の美術史”との交差点から、知られざる「半透明の美学」が姿を現わす。
第1章 透明でもなく、不透明でもなく(なぜ半透明なのか;透明性vs.不透明性 ほか)
第2章 半透明の美学=感性学(アリストテレスの「ディアファネース」;「ディアファネース」と「分有」 ほか)
第3章 半透明のイコノグラフィー(灰色、あるいは「色の震え」;灰色の魔術師、ゲルハルト・リヒター ほか)
第4章 半透明の星座(「肉」と「ディアファネース」;「肉」の検討と展開 ほか)
半透明――透明でも不透明でもなく、白でも黒でもない曖昧な世界にこそ、従来の芸術観を刷新する豊かな可能性が潜む。アリストテレスからドゥルーズに至る哲学的思考と数々の芸術作品との交差点から姿を現す「半透明の美学」。

作者简介

岡田温司[オカダアツシ]
1954年生まれ。京都大学大学院教授。西洋美術史・思想史。著書に『フロイトのイタリア』(読売文学賞)、『モランディとその時代』(吉田秀和賞)、訳書にロンギ『芸術論叢』(監訳、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

书籍目录

はじめに
第I章 透明でもなく,不透明でもなく
なぜ半透明なのか/透明性不透明性/フォルムアンフォルム/アンフォルムと「モノ」/絵画の起源をめぐって/「カメラ・オブスクラ」とその対抗モデル
第II章 半透明の美学=感性学
アリストテレスの「ディアファネース」/「ディアファネース」と「分有」/聖書のなかの「半透明」/アヴェロエスの「ディアファーヌム」/ロジャー・ベーコンの「ディアファーヌム」/ダンテの「ディアーファノ」,その一――存在論/その二――言語論/その三――知の体系と天体論/その四――イメージをめぐって/その後の「ディアファネース」
第III章 半透明のイコノグラフィー
灰色,あるいは「色の震え」/灰色の魔術師,ゲルハルト・リヒター/灰色の両義性/「灰色に注意!」/生と死の,はじまりと終わりの色/生成変化の色/二種類の灰色/ベーコンの灰色/運命としての灰色/灰と埃/埃の美しさ/万物の根源としての埃/変化としての埃,時間としての埃/モランディの埃/「埃の形而上学的意味」――パルミッジャーニの場合/埃としてのデッサン/埃の培養/ヴェールとインティミットなもの/ヴェールとしての雲/肉というヴェール
第IV章 半透明の星座
「肉」と「ディアファネース」/「肉」の検討と展開/イメージとしての「肉」/「クリスタル―イメージ」――『シネマ1』から『シネマ2』へ/「クリスタル-イメージ」と「識別不可能性」/「クリスタル-イメージ」の系譜学/「何だかわからないもの」という非-知/非-場として,アナクロニーとしての「何だかわからないもの」/「小さな知覚」と「何だかわからないもの」/「極薄(アンフラマンス)」
おわりに
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