戦争と罪責

出版时间:1998-8-7  出版社:岩波書店  作者:野田 正彰  

内容概要

戦争の時代,そして戦後を通じて,日本人は「悲しむ力」を失い続けてきた.自己の行為に直面し,責任を感じる能力を取り戻すには,どうしたらいいのか.『喪の途上にて』で鋭い社会分析を行った精神医学者が,中国で残虐行為を行った旧兵士への徹底した聞き取りを通じて解明する,われわれの心の中の,欠落と抑圧の問題.
著者は精神科医である。かれが専門とするツールを的確に用いながら、軍医、兵士や将校、憲兵、そしてその子供たちの世代の罪責意識の切片を、ひとつひとつ丹念に調べていく。苛酷な出来事を扱いながら、本書は何かを糾弾するといった体の作品にはなっていない。加害者のこころのなかへの透徹したまなざしとともに、罪責のあり方をめぐる被害者、加害者、そして著者自身のそのつどの複雑な語りの構造についても、これ以上ない細心の注意が払われている。本書にはまた、罪責の記憶を厚く覆い、共感の能力を深く損なった戦後の忘却の文化に対する、静かで深い怒りがある。

图书封面

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